広い本堂が順に灯火が消えていき、やがて完全な暗闇に包まれた本堂には幽音の念仏が響きます。一遍上人以来700年間行われている修行の一つで、暗黒の世界にただ一つ灯される新たな灯明が、光輝く念仏の世界を本堂内に映しだします。
法要が進むと、灯火が消され、闇の中から念仏が聞こえてきます。しばらくすると、新しい灯が闇の中から輝き、堂内を明るくし、僧侶の念仏の声が高まっていきます。一年の様々な罪を懺悔し身と心を清めます。
暗闇の中から遊行上人の静かな霊音念仏が始まり、二人の僧が古式通り火打石で「一ツ火」を打ち出します。そして仏前の灯火は灯されてゆき居ならぶ修行僧の念仏の高まりとともに再び堂内は輝きに満ち溢れます。闇と光と念仏がかもし出す世界はすべての人々が導かれる極楽浄土そのものです。
後段「御滅灯」(一ツ火)は、本堂内の火が次々に消され、最後にこの大光灯を報土役が消し、後灯を後灯役が消します。この漆黒の闇のなかで十八念仏が始まり、報土役・後灯役は、火打ち石で火を起こします。一度目は空中で火花を散らす「見せ火」で、二度目で「火口箱」に火花を打ち込みます。打ち込まれた火は、闇からしだいに灯明へと移され、再び弥陀と釈迦の光明に照らされた世界が戻ってくることを表現します。
「普段慌ただしく過ごしている生活から離れ、次第に暗闇になる空間で自己を見つめ、ともされるともしびで新たな気持ちを自分に吹き込んでいただきたい。念仏に包まれ次第に一体となることを実感してほしい」とのことです。
開催日…11月27日
開場…5時、法要説明…5時30分
法要…6時から8時30分(予定)
(資料提供 遊行寺)
「一つ火供養」の「奉納菓子」としてつくられた”創業125年の菓匠いもと 「一つ火饅頭」をご賞味しては… 「一つ火」供養時には本堂コーナーに臨時開設売店、境内常設店舗(火曜日定休)でも販売されています。
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