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2021 7/09

藤沢宿 「常光寺」を訪ねてみよう

旧藤沢宿は遊行寺東門近くの「江戸見附」から伊勢山橋近くの「京見附」間の約2キロの街道で(旧東海道、現467号線)ほぼ中央地点の「南消防署本町出張所」脇の横道を入ったところに「常光寺」があります。「常光寺」は元亀3年(1572年)「八王子山摂取院常光寺」として浄土宗の寺院として創立されました。

本尊は「木造阿弥陀如来立像」(南北朝期の作と推定され、作風は鎌倉地方様式を示し、表情は知的で親しみ深く、全体に剛健さと華やかさを兼ね備えた立像で市指定文化財)、「木造地蔵菩薩立像」(南北朝時代の作で、僧衣の衣文が精巧で胸部で仏身と僧衣の境を割り矧ぐ鎌倉仏師の伝統的技法を示す優れた仏像で市指定文化財)。

境内は大小様々な木が生い茂り市街地の中でこれ程巨木が生い茂っている模様は珍しく、幹の折損部には明治13年(1880年)の大火で類焼したという跡があり、中には半分以上が枯れている木々が、新たな幹が成長させている力強い見事な姿を私たちに見せています。昨今の台風や気象変動等の影響で木々に痛みや枝が折れたりし、その都度大切に保全管理されている仏閣です。

(山門)

震災や重なる火災等に耐えてきた山門。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(山門をくぐると2本の「クスノキ」)

先代のご住職が植えられた二本のクスノキ。「夫婦クスノキ」と言われて参拝の方々の幸を祈っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(カヤの木)

幹が真っ直ぐ伸び、中ほどから大きく枝を四方に張りだした巨木。樹齢300年以上、樹高25メートル、胸高周囲5メートル。宮城県から屋久島の山地に生える常緑高木で、幹は直立しよく分枝し横枝は水平に出る特徴もった木。

(幹が大きくあいたタブの木)

幹が空洞になっていますが、枝葉を伸ばし成長したタブの木。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(六地蔵尊)

山門くぐると左側の「六地蔵」様が出迎えてくれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(野口米次郎辞世碑)

米.英での詩壇で活躍した後、兄が常光寺住職を務めていたことから藤沢に住む。日本の文化、文芸を広く世界に発信し「ヨネ・ノグチ」の名で親しまれ、本堂の左墓地に辞世碑があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(「藤澤警察署発祥の地」記念碑)

山門前に藤澤警察署百年記念碑があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記念碑には藤澤警察署の経緯が書かれています。

(記念碑国刻文)

明治五年八月常光寺先に邏卒屯所が設置された以降 境内地に提供により警察出張所警察署に昇格 大正十四年洋風庁舎を建築し 昭和三十九年四月に鵠沼の新庁舎に移転するまで 九十年間署が置かれていた発祥の地である。藤澤警察署創設百年を記念して碑を建立する。

(当時の「藤澤警察署」庁舎)

現「南消防署本町張所」のところに建てられた洋風の立派な「藤澤警察署」。                                     旧「藤沢公民館」の前身は「藤澤町役場」、その後市制が引かれそのまま「藤沢市役所」となり、旧「藤沢宿通り」には警察署、金融機関等々が連なる官庁街を形成、また米・麦等の米穀肥料商や商家や問屋等流通街として繁栄してきました。その当時の面影を残す「藤澤警察署」です。

(弁慶塚に通じる中横須賀公園)

「中横須賀公園」は「済美館」横の通路を約50メートル進み、左折した細い道を進んだ所にあります。

(「中横須賀公園」から「弁慶塚」へ上がる階段)

(階段のぼったところに祠に納まる「弁慶塚碑」があります。

長い年月で風化が激しく、刻まれた文字も判読が難し状態であったため、少しでも雨風を凌げるように「祠」を平成22年に設置されたとのことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご存じのように義経と弁慶は主従の関係。「弁慶碑」は義経が祀られている白旗神社の方向に向いています。

(「弁慶塚」周辺には年月重ねた樹林が…)

旧「藤沢宿」時代からたび重なる火災の災難を乗り越えてきた樹林が幹が大きく焼損しても元気に年月重ね育っています。

森林浴をすると「森林セラピー」と言ってストレス解消、血圧安定、食欲増進等の効果が生まれるとのことです。「常光寺」境内を参拝し、歴史ある、物語のあるこの樹林を ”見る,嗅ぐ、触る、聞く、味わう”の「五感」を働かせ、樹木が放出する化学物資を体内に取り入れて下さい。

樹林の歩き方は腹式呼吸で空気を吸い込む、立ち止まる、木の葉の揺れを見る、木の臭いを嗅ぐ、木の幹を抱きしめる、手で触れる、のだそうです。

「元気な樹林」から幸せを頂いてください。

 

藤沢宿 ”わくわく藤沢宿通信” №37

 

 

 

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