「白旗神社」秋例祭「湯立神楽」が挙行されました。昨年に引き続きウイルス感染症拡大の防止に鑑み、一般席は設けず神社関係の方々の参加を得ての開催となりました。
「湯立神楽」は約800年前に京都の「石清水八幡宮」から鎌倉の「鶴岡八幡宮」に伝わった「神楽」と言われ、両社では一時期途絶えことで原型を残しておらず、藤沢で行われている「神楽」が原型に一番近いとされている、と言われるお神楽で、私達の日常生活の守護神である「産土神・火の神・水の神」の三神を神楽の場に招き、神恩に感謝しつつ、三神のご加護を頂く為に尊き、お湯を神に供え、併せて無病息災を奏でる神楽です。
藤沢では「人形山車」でお馴染みの「皇大神宮」では8月17日に「湯華神楽」として、「白旗神社」では10月28日に秋の例祭「湯立神楽」として奉奏され、「藤沢市指定重要無形民俗文化財(平成8年3月1日指定)のお神楽です。。
1座 「打囃子」からはじまり12座まで、神職(宮司)が舞うという格調高い珍しい神事で、「藤沢の湯立神楽」が正式な名称となっています。
(「湯立神楽」神事斎場) 境内に五色の注連(しめ)と竹で作られた天神蓋(てんがい)を飾った斎場を作り、産土の神(氏神)、火の神、水の神をお招きします。
(祝詞奏上) 宮司による新穀感謝の祝詞奏上。
(1座 「打囃子(うちはやし」) 神職一同でこれからの奉仕に備え祈願をし心意気を高め調子を揃える打囃子です。
(2座 「初能(はのう)」 宮司が左手に広げた扇に洗米をのせ、右手に鈴を持ち四方にお米を散供して、諸々の霊を和め清める舞。
「3座 (おはらい)」 お神酒とお祓いの道具を持ち舞に使うすべての道具、祭場(神様が降臨される場所・釜場・火・水)を祓い清め、神様の降臨を待つ舞。
「4座 御幣招き(ごへいまねき)」 神様の対象となる産土神(うぶすなのかみ)・火の神・水の神をお招きする舞。
「5座 湯上(ゆあげ)」 火の神と水の神が結び付いてできた熱に湯たぶさ(笹)を浸し、熱湯を桶に汲み取り、神前に捧げます。
「6座 中入れ(なかいれ)」 前半の清め・祓い・神招きが終了して短い休憩に入ります。神前にお供えしたお神酒とお赤飯が参列者に分かちられますが、今回は中止となりました。
「湯立神楽」の進行を解説される宮司
「7座 掻湯(かきゆ)」 御弊(ごへい)で四方を舞い鎮め,舞が終ると大釜の前に進み、煮えたぎった湯釜を御弊の串で掻き回すと渦巻きが生じじて油華(湯玉)が立ち昇ります。古くはこの湯立によってその年の吉凶占った「湯立神楽」を象徴する舞です。
「8座 大散供(だいさんく)」 初能(はのう)の2二人舞で、祓い清めの舞で、火の神、水の神、土地の神以外の神様にお供え物をして四方を和め祀るという舞。
「9座 湯座 (ゆぐら)又は「笹の舞」」 所謂笹舞で二人舞で釜湯に笹で湯た房を浸して、参列者の頭上散らし掛け、そのしぶきを浴びると災難病魔を祓い除けると言われている舞。
「10座 「射祓」(いはらい)」 弓と矢を用いて四方八方にいる悪霊を追い払う舞。四方に放たれた矢を拾い授かると開運招福、息災延命を授かると言われています。
「11座 「剣舞」(けんまい)」 赤い面を付けた天狗が空気を体に吐き入れ、それを吐きだすことで空気が浄化されたりして天下泰平を舞う。護身、除災、勝利の舞をしながら豊年満作、大魚満足、天下泰平を祈念し天地運行の乱れを正します。
「12座 「毛止幾」(もどき)」 (斎場にいる全ての人の心に平安と安らぎ取り戻させる舞い。黒い面の山の神は神社での神事に参列され、緊張された方が家の帰る前に普段の生活のに戻す舞い。「福餅」が撒かれます。この舞でお神楽は終了します。
(福餅を戴いてきました)
神楽を終わると斎場に取り付けられた紙垂(しで)を持ち帰り、家の神棚に祀り、禍除けにする風習があります。
その年の新穀をはじめとする秋の実りに感謝する秋まつり重要無形民俗文化財「湯立神楽」。来年こそは「コロナ」もなく、皆で歴史ある藤沢の神事に参加出来る様にお祈りします。
藤沢宿 ”わくわく藤沢宿通信” №42
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