小田急線「藤沢本町駅」より踏切を渡って、自転車駐輪所脇から山際に沿った歩き易く整備された階段を約200段上ったところに「伊勢山公園」があります。頂上にある公園からは「江の島」が見られ、年間通して多くの散策者に人気のある「知る人ぞ知る」花や緑いっぱいの安らぎの丘です。
そもそもこの山は家屋や土蔵に使う壁土を採っていたことより「壁土山」と呼ばれていたと言われ、山頂部は名もない単なる山。その後「伊勢神宮」が祀られていたことより「伊勢山」と言われる様になり、伊勢参りできない人々がこの山から「伊勢神宮」に向かって参拝したとのことです。
春には「横浜緋桜」に始まってコブシや桜(ソメイヨシノ、枝垂れ桜など育成中含めて約150本)の花見など年間通して多くの散策の人に人気のある公園です。
「横浜緋桜」は早咲の華やかな紅色の「寒緋桜」と病気に強い「兼六園熊谷」という山桜を交配させ、其々の系統の利点を備えた丈夫で美しい桜が誕生し、昭和60年1月に横浜の名を冠し「横浜緋桜」と名付けられ(横浜市HP)、花は赤みが強く大輪で下向きに咲く桜です。ここ「伊勢山公園」に移植された「横浜緋桜」は満開となりました。
白旗交差点際の旧藤沢高校跡地はマンション、住宅地と姿が変わりましたが、この場所は江戸時代には藤沢宿の鎮守としての「山王神社」が祀られた「山王山」と称して「釣鐘堂」があり、堂守が一日3回時報として鐘をついていた、という。大正14年「藤澤町立実科高等女学校」建設の伴い「山王神社」の御魂は「白旗神社」に合祀し、「釣鐘堂」はここ「伊勢山」に移されましたが、昭和18年戦時の銅鉄回収政策によって鐘は回収され、御堂だけが現在も残されています。
大正12年白旗神社より戦没者慰霊碑が移され桜500本が植えられ、その後昭和2年整備竣工式が挙行され「伊勢山公園」として整い、昭和26年藤沢市の公園として、また昭和32年に伊勢山公園含んだ「伊勢山緑地」として認定され、現在では「ハローいせやま公園愛護会」の皆さんによって公園管理されています。
そのほか承応2年(1653年)庚申供養塔、忠魂碑等が祀られています。
年間通して憩いの場所「伊勢山公園」を訪ねてみて下さい。
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