旧東海道(現国道467号線)から消防署の脇を入ると、明治五年に警察署の前身である「邏卒屯所(らそつとんじょ)」が置かれた常光寺(浄土宗)があります。創立は元亀三年(1572)、本堂左脇に市指定文化財の「庚申供養塔」が2基あります。万治二年(1659)の銘をもつ庚申塔は、庚申講中が建立した浄土宗系のものとして貴重です。もう1基(寛文九年銘・1699)は、笠石が軽快な感じを与えます。墓所を包むようにひろがる約7900?の静かな寺林は、天然記念物として市の指定を受けています。ひときわ目を引くのは、高さ約25m、推定樹齢300?400年にもなるカヤの巨木で、県選定の「かながわの名木100選」にも挙げられています。境内には、英文学者で詩人の「野口米次郎(1875-1947)」の碑があります。米次郎は「ヨネ・ノグチ」の名で英・米詩壇で認められ、帰国後も浮世絵をはじめ日本の文化、文芸を世界に紹介しました。碑には、彼が詠んだあじわい深い詩が刻まれています。