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庚申堂

こうしんどう

藤沢駅北口から遊行通りを5分ほど歩くと、朱塗りの柵に囲まれた庚申堂があります。江戸時代、道教の影響を受けて人間の肉体には「三尸蟲」(さんしのむし)というものが巣くっていて、寝ている間に天に昇り、その人の罪を天帝に密告し、それによって人の寿命が決められるとされていました。その為、六十日に一度めぐってくる庚申の夜には、誰もが眠らず徹夜して、「三尸蟲」が抜け出さないように見張る庚申待の信仰が生まれました。この庚申堂は明治時代に小説家のラフカディオ・ハーンが江の島を訪れた際に立ち寄ったことでも知られています。このお堂は庚申待の宿や寄り合いの場所として使われていたようです。境内には、様々な「庚申供養塔」が連なる先に、市指定文化財の「青面金剛の像」(漢文十三年銘・1673)があります。髪は炎のように逆立ち、頂にはドクロがくっきりと見え、衣の裾には雌雄の鶏。「見ざる、聞かざる、言わざる」のシンボル三猿。中央の猿だけは「邪気面」の下で首をかがめてうずくまるポーズで、鮮やかに彫りだされた「青面金剛像」の威圧感を強調しています。

堂内には、江戸時代の作とされる木造の「青面金剛像」が両脇侍をともなって祀られています。この「青面金剛像」と両脇侍も市指定文化財ですが、開帳は六十年に一度、庚申の年と決められていますので、次にその姿を拝むことができるのは西暦2040年になります。なお、現在のお堂は「大正」時代に建て直されたものです。それ以前の庚申堂のようすについては「小泉八雲ことラフカディオ・ハーン(1850-1904)が『知られざる日本の面影』のなかで明治二十三年にここに立ち寄ったときの印象について述べていますが、その一文から察すると堂内はかなりひどくいたんでいたようです。

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住所:藤沢市藤沢41-1

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